感想と乾燥の一日

 今年最後の出校週です。よいお年を。

 「国産本格ミステリ」から距離を置いた一年でしたが、とても穏やかに過ごせました。もう、神経が擦り切れちゃったのですよ。自分の「本格ミステリ観」が世の大勢と乖離しているのはわかったし、それを承知で「本格」と呼ばれる作品を手にし、消化し、物を言うエネルギーが無くなってしまったのです。

 そんな状態で作品を手にしても楽しめないだろうし、作品に対しても失礼でしょう。

 ま、誰にも迷惑はかからないのだから、しばらくの間「本格」とは別居し、海外の小説、そして古い時代の国内ミステリの緩やか流れの中で漂っていたいと思います。


 『クルドの暗殺者』読了。前半はストーリーが暗く、主人公の性格も魅力的に感じられず、物語に入り込めなかったのですが、後半に入って面白さ大爆発。上巻だけで判断しなくて本当によかった。