先が見えたり見えなかったりの日々

 鉄道好きのくせに、先日初めてお茶の水にある『交通博物館』へ行ってきました。今年の春には閉館ということなので、忙しい中「これを逃したら一生後悔する」と思い、無理矢理時間を作って見学したのですが、300円という入場料がバカ安く感じられるほど楽しめました。入り口入ってすぐの大レイアウト(電車の模型が走り回るジオラマ)に心ときめき、巨大な蒸気機関車に圧倒され、歴史ある車両や精巧な模型に見とれ、発展し続けるテクノロジーに感心し、大興奮で走り回る子供たちを微笑ましく思いながら、まもなく幕を閉じる博物館を後にしました。人々の夢と技術の結晶が詰まった、何ともいえないノスタルジックな空間。行ってよかった。


 何年かぶりに高円寺から阿佐ヶ谷にかけてブラブラ歩いてみたのですが、うわーっと思うくらい変わっているところもあれば、時が止まったかのように10年前のままの姿がそこにあったりして、かなり刺激的でした。中でも、学生時代から何度も通っていた本屋さんや古本屋さんがそこに無かったときのショックは、店員さんの顔まで覚えているだけにドーンときました。その代わりと言っては何ですが、若者向けっぽい雑貨用品店の一角に、ちょっと濃いめの古本(講談社乱歩文庫やサンリオ文庫等)がデンと売られていたり、新高円寺ブックオフが出来ていたりと、面白い町ではあり続けています。


 今年最初に読了したのは、長々と読み続けてきたウェストレイクの『踊る黄金像』でした。プロットも練れているし、ポイントポイントで笑える面白い話でしたが、とにかく登場人物の多さがつらかった。これほど人物紹介表に頼った作品は初めてかも。


 現在はプロンジーニの名無しの探偵シリーズを読書中。やっぱ面白い。それでもって、やっとこ新潮文庫版を5冊ほど揃えることができました。